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西新宿 彩旬亭

2021.02.23ひとりごと

ソーシャルディスタンス&マインドディスタンス



大阪は、只今コロナウイルス感染拡大防止による「緊急事態宣言」発令中。

昨年末から今年初めにかけての感染拡大の対策であるのは言うまでもない。

そのお陰でここ2週間あたりから、少しずつ感染者数も減少傾向に。

そして医療現場もいっときの逼迫した状態から僅かながらも徐々に解消されつつあると聞く。

ここ一年間、我々の生活スタイルも変わり、家から一歩出る時にはマスクの着用は必須。

不特定多数、一定時間限られた空間に留まる場合、手洗い消毒・検温・三密回避等の感染防止対策は当たり前という感覚が染みついてきた

いわゆるソーシャルディスタンス(物理的な距離)を保ち、飛沫から自らの身を守るということだろう。

当然のことながら、何事においても自粛モードが高まる日常生活。

ソーシャルディスタンスは意識するべきだと思うが、マインドディスタンス(心の距離)は離れていかないようにする事が、今後の課題でもありより一層大切なのかもしれない。

 

そんな状況下の中で執り行われる通夜葬儀についても色々と配慮が求められる。

特に問題なるのは、どの範囲まで訃報を知らせるかである。

 

最近よく耳にする「家族葬」

家族の意向に寄り添った小規模な葬儀式形態と思いきや、実態は葬儀社主導型で予め準備されている葬儀プランの数タイプから選ぶ葬儀式。

語弊があるかも知れないが、葬儀社が手早くスムーズに段取りができるよう執り行うことのできるようにと出来上がった形態に過ぎない。

故に、故人を偲ぶ、またそのご家族に寄り添うとは言い難い。

そして今年のこの時期の葬儀式。

コロナウイルス感染拡大防止の観点に立った時、訃報の告知の判断は本当に難しい。

 

これについてのご相談があった場合、次のようにお伝えする。

仮に訃報自体を控えられた場合、後日いずれかのタイミングで故人さまの友人・知人・縁者の耳に入った時の心情的な各々感情やお悔みの対応が大変になるのでは?

コロナウイルスのこともあるので、通夜・葬儀は感染拡大の配慮としてご会葬を控えていただくにしても、お亡くなりになられたことは事実としてお知らせされてはどうか?

 

とうのも、今まで過去には、どなたにも一切訃報を知らせることなく肅々と通夜・葬儀が執り行われた結果、今までの関係性がギクシャクしたりトラブルに発展しそうな現実を目のあたりにしてきたからだ。

 

ほとんどの方々は、純粋に最後にお世話になったお礼を伝えたかったのにと…

 

故人に対する家族の心情と縁者との思いに相違がある。

当たり前だが当然のことだ。

同時の周囲への配慮のつもりが必ずしもそうとはいかない現状そのものが露呈される。

コロナウイルス感染拡大しているこの時期だからこそ自粛しなければならないこともある。

だからといって何でもかんでもコロナウイルスを理由に自粛ムードを言い訳にしてはいないだろうか?

逆にこの時期だかこそマインドディスタンスを密にし後悔のないようにしなければならないのではと思う。

知恵を出し合えば、例えば後日改めて落ち着いた時期を見計らって「偲ぶ会」のような機会を設けて亡き故人を偲ぶご縁としてはどうかと…

 

各自の年齢・体調・居住地域・生活環境が異なるので一律的な答えは正直見出せないと思う。

しかしお互いの人生の歩みの尊さを厳粛に受け止め、またその違いについても尊重してく必要もある。

「緊急事態宣言」もようやく今月末には解除される様相のようだ。

兎に角、ワクチンの普及がより一層進み、感染拡大の終息を願うばかりだ。

 

南無阿弥陀仏
浄土真宗本願寺派 須原山 正福寺