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西新宿 彩旬亭

2021.05.17ひとりごと

不自由です(>_<)



大阪のコロナウイルス感染拡大収束の兆しは未だ見えてこない。

また昨日、平年より21日も早く、統計史上最も早い梅雨入りが発表された。

感染対策は勿論のこと、うっとうしい時季を迎えることとなった。

 

ちょうど先週、境内の銀杏と梅の枝木の剪定をした。

ここ数年、剪定をさぼってしまっていたので結構な大木になりつつあった。

若い頃は、軽快にはしごを駆け上がり植木ばさみや刈込ばさみで剪定していたが、今年は枝切り用の電動チェーンソーで・・・

届く範囲の枝木を思いのほか、大変楽に剪定を行うことができた。

 

と、そこまでは良かったのだが・・・

切り落とした枝木を回収袋にお収まるよう、細かく切り刻んでいた。

ところがちょっと気を許して雑な電動チェーンソーの扱いをした瞬間、刃が私の左親指と接触。

 

見る見るうちに血が噴き出て、自分でも驚くほどだった。

直ぐに坊守(つれあい)を呼んで止血の応急手当。

数分後に何とか血も止まり事なきをえたが、やはり傷口は痛む。

しかし、利き腕の右手ではなく左手の指先ぐらいと思っていた。

日頃の日常生活の中で、あらためて左親指の指先の怪我だけでどれだけ毎日の所作が不便になるのかとまざまざと思い知らさた。

怪我から1週間が経ち、傷口は癒えてきたがやっぱり不自由だ。

 

洗面・風呂の頭、身体洗い

お経本・書籍・新聞のページめくり

法衣着用の紐結び

缶ビールの栓

PCのキーボード

テレビのリモコン

 

右利きでありながら案外左手を使っているのだと、特に親指を・・・

 

指先を怪我して初めて、人間は利き腕があるにせよバランスよく体を使っているのだと気づく。

そしてふと感じた。

その立場にならないと見えないもの、気づけていないことが沢山あるのだと。

 

世間も然りだ。

その立ち位置にならないと世の中も知らないことばかりだ。

知ったかぶりして大口をたたき、後に自分の無知に恥をかく。

そんなことが巷にはどれだけ多いことか。

まだ無知に気づければよいが、無知に気づけていないのは正直始末が悪い。

 

物事の本質を見極める。

これも仏教精神のひとつであろう。

 

南無阿弥陀仏

 
浄土真宗本願寺派 須原山 正福寺